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きっかけ

F様　87歳　女性　要介護5 F様は線条体黒質変性症という難病で寝たきりの状態でした。長女夫婦と同居して在宅での生活を続けており、小規模多機能型居宅介護を利用しています。

本人・ご家族の希望

本人との意思疎通は難しい状態、ご家族様は何とか最後まで家で看たいと考えていましたが、介護疲れも見られていたため、週4日は施設に宿泊するようになっていました。

車椅子の変更

F様は食事量が徐々に減少傾向にあることを家族も職員も心配していました。食事は職員の全介助で摂取していましたが、うつむき加減になってしまうためなかなか摂取が難しい状態でした。 ある晩、職員が水分摂取を促すために介護用ベッドの頭を上げて飲ませたところスムーズに飲めたことが報告されました。ケアマネジャーは家族に報告し、すぐに車椅子を手配しました。それまでは一般的な普通の車椅子だったのをリクライニングができる車椅子に変更したのです。 一般的な車椅子は乗車時に頭が下がってしまいますが、リクライニングの車椅子は斜めにすることで頭を上げた状態で固定することができます。リクライニングの車椅子を利用するようになり、F様は食事をしっかりと摂取できるようになりました。

車椅子の変更の効果

食事をきちんととることができるようになったF様の体調は安定してきました。それまでは体力が低下し、また、床ずれ予防のためベッドで横になることが多かったF様ですが、栄養状態が改善したことで体力も回復、皆さんと一緒にフロアで過ごせるようになっています。ご家族様も食事量を心配していましたが、全量摂取できるようになったことを喜ばれています。