【事例】ヘルパー通報サービスで家族の夜間の介護負担が軽減されたF様ケース
サービス利用に至るきっかけ
F様 男性 78歳 要介護3 奥様と二人暮らしのF様。奥様は持病こそありましたが介護は必要ない状態で、デイサービスを週2日利用する他は介護ベッドを借りる程度で生活していました。しかし、F様は夜間にトイレに行く事が多く、奥様もそれに合わせて起き、介助することが続いていました。
本人・ご家族の希望
F様はトイレでの排泄を強く希望しており、またポータブルトイレの利用も抵抗がありました。しかし、奥様の夜間の介護負担も大きく、長女様も何とかしたいと考えていました。
ケアマネジャーの提案
ケアマネジャーと長女はショートステイを利用して奥様の介護負担を軽減しようと考えましたが、「まだ大丈夫だから」と本人、奥様共に施設に泊まることには抵抗があるようでした。もともとデイサービスに行くことにも乗り気ではないF様であったため、ショートステイに抵抗があるのも無理ない話でした。そこでヘルパー通報サービス(夜間対応型訪問介護)の利用を提案しました。
サービスの利用を開始して
ヘルパー通報サービスでは定時訪問という利用を選びました。夜間に毎日1回、訪問介護のヘルパーがご自宅を訪問し、家族に代わって排泄の介助を行うことにしました。鍵はダイヤルロック付きのキーボックスに入れて、家族と職員だけが家に入れるようにしました。奥様からいつも深夜1:30頃に起こされてトイレに行くとの話を聞き、訪問時間は深夜1:00頃を定時訪問の時間と決めました。 打ち合わせの際に「夜はこのぺんぎんマークの服を着たヘルパーが来て、F様のトイレのお手伝いをします。」と伝えると、少し不安そうでしたが「よろしく頼むね」と返事をされました。 初日、F様のお宅に伺うと、気になった奥様が起きてきました。奥様にいつものトイレの介助の方法を確認し、F様を歩行介助でトイレまで誘導しました。尿漏れパッドにはすでに排泄の跡があったため、交換し、用を足してもらいました。その後、水分補給をしてもらい、お休みいただきました。奥様には「明日からはもう大丈夫ですよ」と伝え退室しました。 奥様も安心されたようで翌日からは私たちに任せてくれるようになり、F様もヘルパーが来ることに対して慣れてきたようです。 後日、F様のカンファレンスの際に長女様からは「母が随分と体も精神的にも楽になったと言っており、顔色が良くなった。本当に良かったです。」と感謝の言葉をいただきました。