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超高齢社会と言われていますが、「介護が必要な高齢者がどのくらいいるのか？」ということは皆さんあまりご存知ないかと思います。

現在の日本の65歳以上の高齢者は3630万人で総人口の28.9％を占めています。このうち「要支援」「要介護」と認定されている方は684.2万人で18.9％。世代別には下図のようになっていますが、注目すべきは「後期高齢者」とも呼ばれる75歳以上が、要支援･要介護高齢者の90％近くを占めていることです。

その原因のほとんどが、以下の４つに分類されます。

• 脳卒中や心疾患等の疾病

脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの病気になることで急激に体力が低下することで、介護状態となりやすくなります。脳の疾患の場合は認知機能に影響が出ることも多いです。

• 転倒による骨折や関節の痛み

加齢に伴い身体のあちこちが痛くなったり、それらを原因として転倒、骨折して介護状態となる方も多いです。

• 認知症

加齢により身体の様々な部分が衰えるのと同じく、脳も衰えていきます。脳の萎縮や

• 高齢による衰弱

高齢に伴う体力低下と筋力低下により介護状態になる方も多いです。廃用症候群とも呼ばれています。

介護状態となることを予防するには、特に75歳を分水嶺のポイントに、この4つの原因を防ぐことが大切だと言われています。

出典：厚生労働省 介護保険事業状況報告（令和３年４月）・総務省統計局：人口推計の結果の概要（令和３年４月）

※４０～６４歳は第２号被保険者と言い、末期がん他の指定される特定疾病がある場合利用することができます。

なお、「老齢症候群」と呼ばれる以下のようなことが見られる場合は、特に注意が必要となるので、予防運動をお勧めします。

転倒

人間は子供のころはよく転び、成長するに従い転ぶことが少なくなっていきますが、加齢により足の衰えが出てくると転びやすくなります。実は75歳以上の女性に聞いたところ、1年間に約3割くらいの方々が転んでいるというデータがあるそうです。家の中や慣れた道でも実は様々な障害があり、元気な時は気にすることもなく跨いで通過しています。ところが衰えてくると、目の前に段差があることを認識できていても、歩くときにつま先が上がらず躓いてしまうケースが増えてきます。こういったときに自身の衰えに気づくという話もよく聞きます。さらにひどくなるとそれが転倒となり、骨折。そこから寝たきりや介護状態というケースは珍しくありません。

食べこぼし

食事は一日に３回行う行為ですが、むせたり、ものをかんで飲み込むときに手間がかかったりすることが高齢期になると多くなります。これはものをかむ機能や飲み込む機能が衰えることに原因があります。じつは食べこぼしが目立つようになるのもその兆候の一つです。特に怖いのは、飲み込むときに食道ではなく気管のほうに食物や水分が入って肺炎が発生することです。誤嚥（ごえん）性肺炎は高齢者の死亡原因の第4位となっています。

尿失禁

くしゃみをした時や急に笑ったりしたときに尿が漏れてしまうことは、特に女性に多い症状です。デリケートな問題なので、特に対処せずに済ましてしまう方もいますが、早いうちに対策をとることが大切です。

介護が必要かもと思ったら相談を

介護予防は高齢者が増加の一途を辿る現在、積極的に推奨されています。介護認定結果で要支援や要介護と判定されなくても、一般介護予防事業や介護予防・日常生活総合事業のサービス利用などを利用することができます。ちょっと心配だなと感じたときはお住まいの地域包括支援センターやケアマネジャーの事業所（居宅介護支援事業所）に相談することをお勧めします。