サービス利用に至るきっかけ
M様 男性 89歳 要介護4
Y様 女性 86歳 要介護1
老夫婦の二人暮らし。夫M様はそれまで要介護2,妻Y様は要介護1で認知症が見られていました。二人ともデイサービスと訪問介護を利用して生活していました。長男長女は二人とも市外に在住しています。長男は週末に訪問し状況を確認したり、買い物の支援をしていました。長女は嫁ぎ先の義父母の介護で、自身の親の介護にはあまり関与できないでいました。ある日、M様が肺炎で入院しました。退院はしましたが、体力低下により車いす生活となり要介護4と認定されました。家族は介護状態の夫婦二人で暮らすのは限界だと考え、施設に見学と入居の相談に来ました。
本人・ご家族の希望
長男長女は二人とも施設に入ることを勧めました。M様は二人とも家で暮らすのは無理だろうと施設入所を希望したが、Y様は自宅での生活を強く希望しており、また、M様に対する依存心も強く、離れて暮らすことに不安を感じていました。
施設の提案
空室が1室であったため、二人同時の入居は難しく、まずはM様の入居を提案しました。施設はデイサービス併設のサービス付き高齢者向け住宅であったため、Y様には定期的に顔を合わせることができるように、併設のデイサービスに通うことを勧めました。
施設に入所して
施設入所後、M様は体調も安定し落ち着いて生活をすることができています。Y様はデイサービスに来てM様の顔を見れば落ち着くようでしたが、デイサービスを利用しない日は不安が強く、夕方になると施設に電話をかけて、M様の様子をうかがうのが習慣のようになっていました。
そこで、できるだけM様の様子を自分で確かめられるように、週1回の訪問介護以外は、介護保険の適用の限度までデイサービスの利用を増やすことにしました。
今はM様、Y様共に状態が安定し、デイサービスに来ない日でも、夕方にY様からの電話がかかってくる日が少なくなりました。しばらくはこのまま様子を見ていきたいとケアマネジャーとも話しています。Y様がご自宅での生活が難しいと理解された時にはM様と一緒のこの施設を進めやすいと、ご家族様とも話をしています。